都市部の旗竿地に計画した住宅の提案。北側を除く3 面は隣接する建物が迫り、閉鎖的な環境にあった。唯一、北面には小学校の校庭が広がり、敷地の竿部分を南北に貫く軸線の先に、開かれた風景が垣間見えた。そこで旗竿地特有の条件をネガティブな制約としてではなく、風と光を通す軸として読み替え、内と外を貫く開放的なリビングダイニングを2 階に設けることとした。
北側に高度斜線を避けながら最大高さの2 点、南側に通常の1.5 倍ほどの天井高となる1 点を定め、これら3 点を通る平面で屋根を架けると、どこから見ても台形が浮かび上がる、不思議な断面形状が立ち現れた。南北にテラスを設け、大開口でリビングダイニングと連続させることで、台形断面のチューブ状の空間が生まれる。南側から集めた光と風は、この空間を通って北側へと導かれていく。北面ではテラスの植栽と校庭の緑がレイヤー状に重なり合い、豊かな屋外環境をつくり出す。
旗竿地という敷地の制約は、ここでは風と光を導く装置へと反転している。その土地固有の空間を導き出すという設計姿勢を体現した提案である。
【Data】
House-K Project
種別:基本計画・コンペ(Unbuilt)
用途:個人住宅
構造:木造
敷地面積:220.64㎡
延床面積:185.17㎡
所在地:東京都内
提案:2026 年6 月