台湾では孟宗竹が構造材から家具まで生活のあらゆる場面で使われ、薄板に割く、束ねて構造材にする、編んで面をつくるといった多様な加工技術によって、木にはない軽やかな表現を生んできた。「Fossil」は、この竹工芸の技術体系をアクリルパイプという現代素材に置き換えて再解釈した椅子である。中空のアクリルチューブを切断・曲げ・接合することで、透明感と軽さ、宙に浮くような感覚を実現した。

伝統的な竹家具では、パイプ状の竹の稈を加熱して曲げ、横架材を包み込むようにX・Y・Z 方向の立体的な仕口をつくる。この竹特有のディテールを、透明なアクリルパイプによって再現し、構造そのものを可視化した。座面には半透明のPVC ベルトを格子状に編み込み、全体の透明感を保ちながらやや古典的な性格を与えている。PVC の色によってカラーバリエーションも展開できる。

1 人掛けのキューブを基本ユニットとし、2 ~ 3 人掛けのベンチへも展開可能。構造的に弱い接合部はアクリル自体が溶融して一体化する性質を活かし、溶剤接着で補強している。

(The Architect's Chair Competition 2026 / TOP40)
【Data】
Fossil
種別:家具デザイン/コンペ
用途:スツール・ベンチ
仕様:アクリル、PVC
提案:2026 年4 月
担当:宮地国彦、齊藤まどか

Fossil
Type: Product Design / Competition
Usage: Stool / Bench
Material: Acrylic, PVC
Completion: April 2026
Team: Kunihiko Miyachi, Madoka Saito

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